5章 トビリシ  傷跡の街、灰色(4/4)











なんだかこの旅行記、グルジアに入ってからテンションが低くなってるよね!





そうなんです、グルジア人がテンション低いんです。



だからこんなになっちゃってます。







元々ロシア系はテンションが低いみたいのは最初のモスクワの空港でわかってはいたんだけどね
参考: 0章.出国 もうお家に帰して




グルジアをロシア系とひとくくりにするとグルジア人に怒られそうだけど。







そうなんだ。ものすごく人が冷たいんだ。


人が温かいトルコから入ってきたギャップもあるのかもしれないけど。









飯を買おうと思って、商店街らしき通りにくりだす。



(なんか視線をすごく感じる・・・。みんなすごい見てくる・・・。)



確かにグルジアなんてなかなか観光客はこないだろうし、ましてや東洋人なんて珍しいのかも。




(みんな見てくる・・・。み、見ないでぇ・・・!わ、私を見ないでぇ!!)



誰も話しかけてくるでもなく、ひたすら見てくるだけ・・・。



(も、もう帰りたい・・・。こんな国やだ・・・。トルコに帰りたい!







きっとボケても誰もつっこんでくれなそうな冷たい視線の中、一軒のパン屋さんへ。

そこでは20代半ばのお姉さんが店番をしてた。



「エクキューズミー・・・」



「・・・・・・・・」(チラッと目だけでこっちを見る。)



「えっとディスワン・・・アンド・・・ディスワン・・・プリーズ」



「・・・・・・・・」(指差したものを雑に袋につめる。)



「ハ・・・ハウマッチ?」



「・・・・・・・・」(指で3と示す。)



「スパシィーバ・・・」



「・・・・・・・・」(目だけオレを見てる。)







うおー!!なんて冷たいあいさつなんだ!!


・・・いや、あいさつされてない!!



せめて、ありがとう!とかどっからきたのぐらい?ぐらい聞いてくれよ・・・。

無愛想でも最後に控えめに「ニコッ」っとするだけでもオレはキュンとするぞ!



トルコだったら

「100万ドルになりま−す。」
「え?ちょ?!100万!?!」
「びびったかブラザー(笑)脅かしてごめんな、キャンディーつけとくぜ!」

みたいな必要ないぐらいの会話があったのに、それでもお隣さんか!





ちなみに上記のグルジアとトルコの会話に一切の脚色はなく、そのままの会話です

グルジアの方は会話にはなってないけど(涙)










というわけでグルジア人の視線で氷漬けにされた僕は早めに宿に戻ります。


夜の旧市街なんて腕の2本や3本、すぐもっていかれそうです。








翌日、洗濯物が乾いていないというバックパッカーにとって最も恐れる事態が起こった。


なんで、昨日パンツ全部洗濯しちゃったんだよ・・・。






この日はもう怖いグルジアとはおさらばするために朝早く、朝食も食べずにチェックアウト。



タクシーを拾って、バスターミナルに向かった。

途中タクシーは給油したり、故障したりしながら、バスターミナルに着く。








この次の目的地はアルメニア共和国の首都エレバン




グルジアとアルメニアとアゼルバイジャンの3国で「カフカス3国」といわれていて、
カスピ海には寄り道になるけど、せっかくだからこの3国ともコンプリートしておこうと向かいます。







ターミナルについたら、すぐに声をかけられる。



「おい、おまえ!これからどこ行くんだ?オレたちアルメニアに行こうとしてるんだ!!」

「乗り合いタクシーなんだけど、オレと奥さんともう一人必要なんだ!行くなら一緒に乗ってくれないか?」




う〜ん、うさんくさい・・・。どうしようか・・・なんかグルジア人怖いからなぁ・・・。
でもこのおじさん英語しゃべってるし、奥さんと一緒っていうなら信用できるかな・・・。


迷いはしたけど、バスと同じ料金で行けるっていうから乗り合いタクシーに決定!


タクシーで国境を越えてアルメニアに向かいます。










この時に別の客引きらしきおじさんが話しかけてきたんだけど、そのおじさんは片足がなかった。



彼を見たときに、ひょっとしたらこれは戦争の傷跡なのかな、と考えた。

トビリシの町も荒廃している部分があったし、戦争が目に見える街を見たのは初めてだった。



人並みに僕も考えることがあって、言い方はおかしいけど、いいものが見れたと思う。
















うひょーーー!!!





この乗り合いタクシー飛ばす飛ばす!


基本的に常に120キロは出してる。


テンション上がると150キロは出しちゃう。




助手席にオレで、後ろにはアルメニア人の夫婦。

この夫婦のおじさんはアメリカで働いていたことがあって、英語が喋れる。

奥さんも運転手のファンキーな兄ちゃんも英語は話せないので助かった!





「おい、おまえはいったい何ヶ国語話せるんだ!?」


「オレはそう・・・日本語とほんの少しの英語・・・がんばって2ヶ国語だよ・・・。」


「へぇ〜、オレはなぁ!6ヶ国語話せるんだぜ!!    
   アルメニア語、グルジア語、ロシア語、アゼルバイジャン語、トルコ語、英語だ!」



「へぇー、すごいすごい。(アルメニア語とグルジア語なんて方言ぐらいの違いだろ!)」







なんて他愛もない会話をしながらフロントガラスの割れたままのタクシーは国境へ向かう。













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