4.5章 国境の月








ちょっと大丈夫かよこのバス・・・。


運転手は携帯で話しながら、150キロは出してるし、タバコはがっつり吸いながら運転だし、
乗務員の兄ちゃん姉ちゃんは自分の好きな音楽をバスのスピーカーで大音量で流してるし・・・。


みんな寝たいんじゃないの・・・?オレは寝たいよ。
音楽にノって歌って、ドリンクとか運ぶ気配全然ないし・・・。

適当すぎるバスだ。






なんて思っていると、姉ちゃんが全員のパスポートを回収。



そして、気づくとトルコの東端。国境に到着。深夜1時ごろ。




以前にイタリアの中にある小国、サンマリノに行って、陸路で国境越えはしたことはあったんだけど、
バスに乗って終点まで行ったら別の国、という県境的な雰囲気だったので、
実質、陸路での国境越えははじめて!!



色んな旅人から陸路はロマンはあると聞いてた。やっべー!わくわくする!!!






まずは、トルコの出国ゲートでトルコの出国スタンプをもらう。


すんなりスタンプをもらい、そのまま歩いてグルジアの入国ゲートへ。












出国スタンプもらって入国スタンプもらう前って法的にはどこの国にもいないわけ。



そのどちらでもない国の間に、トルコとグルジアのすげぇでっかい国旗がライトにてらされて、
すごくはためいてました。



これにはなんかゾクッとした。圧倒されたっていうのが正しい。

なんか大きな力みたいのを感じて、鳥肌がたった。すごく興奮した。



その興奮がいいものなのかどうかはわからないけど、不思議と感動しました。













そして、グルジアの入国ゲート。

入念なチェックでバックを開けて中をしっかりチェックされる。




洗剤を透明な袋に入れて持ってて、「おまえ・・・これはなんだ・・・?」って聞かれた。


その瞬間僕は気づいた・・・。



(麻薬と間違えられてる!!!)



やべーやべーと必死に「ウォッシュ!ウォッシュ!」と言いながら、手でゴシゴシしてみせる。


袋を開けて、においを嗅いでもらい、ようやくOKがでて、一安心。



その後に、梅干しを持ってて「なんだこれは!!」ってさらに問い詰められた。


すごく厳重なチェックを受け、なんかわからないけど入国審査で怒られて、スタンプをもらった。


グルジア入国!!




グルジアに入り、他の人の審査や、バスのチェックを待つ。















そこで、月を見た。





なんだかすごく不思議な月。




いつも見てる月なんだけど、さっきはあっちで見て、今度はこっちで見て。




同じ月なんだけど、違うところにいるんだなーって。






初めて、本当に国境ってあるんだなー、って思わされた。









実際に国境を越えてはじめて持った感情で、これは日本人には元々ない新しい感情なのかもしれないな。







国境越えて気付いたんだけど、その国境って黒海沿いにあって。



海沿いに道路がずっとあって、国境検問所がある。





で、黒海と国境警備エリアの間はおそらく地雷原でした。



明確に地雷って書いてあったわけじゃないんだけど、駐車場に敷き詰められるような石が一面敷いてあって、
そこにはずっと柵がなくて、監視小屋みたいな小さな小屋がありました。



初めて地雷原なるものを見て、あー、これは人を攻めるものじゃなくて、国を守るものなんだな、と。



いやーなんか、すごかった。















※帰国後調べてみたら、地雷原じゃなくて、ただの海水浴場でした。
監視小屋はただの海の家的なものだったのかもね!













とにもかくにも、グルジアに入国。


グルジアに入ってすぐバスが止まり、現地の人が乗ってきて、乗務員となんだかお話をしてました。

その言葉はは聞きなれたトルコ語ではなく、初めて聞くグルジア語でした。







本当に違う国に来たんだ。

















トルコ・グルジア・アルメニア・アゼルバイジャンの旅 トップへ

inserted by FC2 system