4章
ウズンギョル 静かな湖畔の山の上から
(2/3)
寒いよ・・・。今8月だろ・・・。
それもそのはず。ただいまいるのは
標高2000m弱の湖畔の村
。
避暑地とは聞いてたけど、まさかこれほどとは。
でも自然が多くて、牧歌的でのんびりした、いいところそうです。
野犬よ、何思ふ
さて、忘れちゃいけないのは今の自分の体調。
そうだ!
具合悪かったんだ☆
具合が悪いにもかかわらず、もちろん半袖短パン。
上着を出そうとも思ったけど、
めんどくさい
という理由で、寒さを耐えることにするかっこいいオレ。
そして、まずは宿探し。
ここまでトルコの東まで来ると、旅行者はそんなにいないし、まして東洋人なんて他にはいない。
道中仲良くなった旅人に聞いてみても、たぶん東のほうは英語通じないだろうね、とみんないう。
しかもこんだけ田舎だ。確かに欧米人の観光客は見ないし。きっとトルコ人観光客ばっかだろう。
仕方ない・・・。ガイドにあるトルコ語でがんばって交渉してみるか・・・。
「エクキューズミー!・・・ビル・・・ゲジェ・・・ゲジェ、ゲジェリーイ・・・ネ、カダル・・・?」
「フフフ・・・」
「イングリッシュ、オゥケィ。」
うわお。
うわお。
スーパーウルトラ恥ずかしい。
なにこの辱しめ!
あれだあれ!日本で外国人に道聞かれて、がんばって英語で教えてあげたら、
「おっ!あんちゃん親切やな!おーきに!!」
なんて
関西弁で返されちゃう感じ
!!
もうしゃべれんなら、しゃべってよ!!こっちの不完全な英語すげー恥ずかしいじゃん!!
そういや、中学校の頃そんなんあったな。
学校の英語の授業にALT(アシスタント)として来たカナダ人が来たんだ。
そりゃ日本語わかんないからもう授業で会話とかになるとみんな必死だよ!
給食を一緒に食べましょうとか、もういっぱいいっぱい!
それで、そのカナダ人が学校を離れることになって、全校集会で最後の話をしたんだ。
もちろん英語で。
分かる単語だけでも聞こうとがんばってた。
話が終わってみんなが拍手した後に
彼女は流暢な日本語でスピーチを始めた。
実は日本語ペラペラ。日本に昔結構住んでて、むしろ
オレよりなめらかな日本語
。
きっときれいな先生だったから、ふざけて何人か愛の告白とかしただろうな・・・。
きっと思春期だから、変な日本語を教えようとしたやつもいただろうな・・・。
いや、しかし普段まったく日本語をしゃべらなかった彼女にあっぱれだ。
おっと話がずれた。
そういうわけで、宿の人みんなに「フフフ・・・」と笑われ、身もだえしながら、結局英語で交渉。
いや、
別に英語が話せるわけでもないんだけど。
しかし、この宿では1泊70リラといわれる。
参考までに、パムッカレでは15リラ、カッパドキアは25リラ。
うわお。いいお値段。
その後も色々聞いて回ったけど、どうやら避暑地のハイシーズンってことで、どこも70リラ。
しかもここは、家族連れとかカップルで来るとこらしく、シングルはあんまりないと。
「おい、おまえなんで一人できたんだ?恋人とか連れてこりゃよかったじゃん!」
ほっとけ!!
一箇所50リラってとこがあって、部屋を見せてもらったら、
テントでした。
何軒かまわってみると、10代後半ぐらいの女の子が店番してるところがあって、60リラといってくれた。
それからも回ったけど、そこが一番安くて、
かわいかったから
、そこの宿に戻って話しを聞いてみる。
その宿に再び入ると、さっきの女の子とその家族がいた。
どうやら家族経営の小さなペンションみたい。
「さっき60リラでいいって・・・?」
と聞いてみると、経営者であろうお父さんは、
うわー!
と頭を抱える。
そしたら、女の子がお父さんを取り押さえて、オレに向かって笑顔で
「大丈夫よ!60リラで泊めてあげれるわ♪お父さんのことは私にまかせて!」
と言ってくれた。
お父さんは、「やれやれ、まったく困った娘だ!ハハハ、しょうがないな!」って顔でこっちを見てくる。
よし、オレ日本帰ったら結婚してペンションやろう。
「大丈夫!あなたを泊めてあげれるわ♪お父さんは気にしないで!」
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